**** 初恋(リダシク) ****卵ぼうろさんのリクです
放課後、生徒会もないので帰ろうと歩いていると数人に囲まれ金を出せと脅された。
きっと出さないと殴られるだろう。
いつもそう。
恐る恐る財布を出すと引ったくるように奪い取られた。
中身を確認すると
「しけてんな〜。大好きなママからいつも貰ってんだろ?」
と僕を馬鹿にする。
悔しくて唇を噛み締めていると肩を叩かれたらしく、やつが振り向いた瞬間その
場に倒れた。
その後ろにはオレンジ髪が見える。
仲間をやられたのが気にくわなかったのか全員でかかっていったが、
次々と蹴散らし最後の一人を睨みつけると慌てて逃げていった。
「雑魚が…」
と呟き、落ちていた僕の財布を拾うと
「これ、あんたのだろ?」
と言って僕に財布を渡し、礼を言おうとすると
「じゃあな」
と言って行ってしまった。
そういえば、あのオレンジどっかで見たような…。
そうだ、こないだの入学式の時にいた。
入学早々ケンカしてたのを覚えてる。
そのときもさっきみたいに相手を倒していた。
学園内で問題になってると聞いた。
どうしてそんな人が僕を…
答えが出ないまま家路についた
翌日、ユラ生徒会長に呼ばれ生徒会室に行くとオレンジ髪の後ろ姿。
髪の色ですぐにわかる。
「あの…昨日はありがとうございました」
と声をかけると振り返り僕を見て
「あ ぁ、昨日の…」
と苦笑する。
「何で助けてくれたんですか?」
と聞くと目を逸らし
「弱い者いじめは好かない から…」
と言われた。
「そうですか」
とうつ向くと
「弱いのは悪いことじゃない」
とボソッと呟く。
悪ぶっててもいい人なんだ。
そのギャップがおかしくてクスクス笑うと
「なっ…なんだよ」
と困った顔をする 。
「いえ、何でもないです」
と言いながら笑いに堪えていると
「気になるだろ!」
と言うと顔を覗きこまれドキッとする。
顔が熱くなってきて、鏡を見なくても赤面しているのがわかる。
「ほんとに何でもないですって」
と少し離れて顔を逸らすと
「今度は赤くなって る…。変な奴だな」
と笑う。
初めて見る笑顔。
聞こえてしまいそうなくらい高鳴る鼓動。
静めようとしても高鳴るばかり。
うつ向いたまま赤くなっていると
「大丈夫か?」
と顔を触られビクつく。
なんでだろ…話したり触られるのには慣れてるはずなのに。
目の前の彼は少し困った顔をして
「別に取って食ったりしないから落ち着け」
と僕の肩を叩く。
「そんなことわかってますよ」
と返すと
「じゃあそんなに避けるなよ」
と言われた。
避けてると思われてたなんて…。
胸が痛んだ。
これは…。
「避けてなんかいませんよ。ただ…」
と言葉を詰まらせると
「ただ何だよ?」
と問われたので
「君が好きみたいです。気持ち悪いでしょうけど」
と言った。
すると
「ほんとか?」
と詰め寄られ怯みながら
「えぇ、本当ですよ」
と答えると目を逸らされ
「ごめんなさい。迷惑ですよね」
と言うと
「迷惑な訳ないだろ?好きで助けたんだから」
と言われた。
「え?」
と聞くと
「いつもあんたを見てた。危なっかしいから、守ってやりたいと思ってた」
と言って頬を掻く。
僕がにこりと笑って
「じゃあこれから守ってくれます?」
と聞くと
「あんたが良ければな」
と笑いながら僕の頭を撫でる。
「僕にはシークって名前があるんですけど?」
と笑いながら言うと
「あぁ、悪い な。俺はリダだ」
と名乗った。
「リダ…よろしくお願いしますね」
と言うと
「よろしくな、シーク」
と照れくさ そうに頭を掻く。
「あ、守ってくれるのはいいですけど、もう喧嘩はしないでくださいよ?」
と言 うと
「はいはい、シークを守るとき以外は手ぇ出さないよ。約束する」
と言って くれた。
それ以来本当に喧嘩などの問題を起こすことはなくなった。
授業をサボることはあっても単位はギリギリ取れてるらしい。
僕の影響で少しずつ変わり始めてるリダ。
僕自身もいじめられなくなった。
付き合っていることは知られてないけど。
生徒会にも入ってくれて、ちゃんと仕事もやってくれる。
人は変われる。
そう感じさせてくれる恋。
僕が卒業しても君はこのままでいてくれますか?
******************あとがき*****************************************
お待たせしてすいません。
旧学園のseek受けとのリクを受けましたんでこんな風になりましたが、よかった
んでしょうか?
初恋ネタです。
普通はこんなに上手く行きません(爆)
恐れながら卵ぼうろさんに捧げさせて頂きます。
リクありがとうございました。
こんなんで良ければ受けとってやってください(礼)