**** 添い寝(リダイシ) ****





ある朝いつものように目覚めると体が熱い気がする。



起き上がるとめまいに襲われ、何とか起き出して体温を計ると38度。


完全に風邪を引いている。


喉の方には影響ないようなので一安心し、
マネージャーに今日一日休む連絡をして風邪なんて久しぶりだと思いながら、もう一度ベッドに戻り眠りについた。



ふと意識の向こうでけたたましいチャイムが鳴っている気がして目を開けると、
何度もうるさいくらいにチャイムが鳴っている。


「うっさいわ!こっちは病人やっちゅうねん…」
とフラつきながら玄関に行くと 心配そうな顔をしたリダがいた。


溜め息をついて
「勝手に入ってきたらええやん」
と睨むと
「いやほら、一応ダイ シの家やから」
とか訳のわからないことを言う。



呆れて
「お前なぁ…」
と言いかけると再びめまいに襲われてリダに寄りかかってしまった。


慌てて抱きとめ
「大丈夫か?」
と顔を覗きこんでくるリダの顔を恥ずかしさで見れず、
ただ頷いて胸に顔を埋めると頭を一撫でして俺を持ち上げてベッドへと運ぶ。



布団に入れられリダを見ると
「詰めろや」
とか言いながら入り込んで来た。



狭いんですけど…と思っていると抱きしめられる。



顔が熱くなるのを感じ
「感染るやろ!」
と突き放そうとすると
「熱風邪は感染りませ〜ん♪てか、風邪は感染せば治るやろ?」
と抱く腕に力を込め、感染してくださいと言わんばかりに口付けてきた。



「ちょっ…んっ…」
と抵抗したがビクともせず、逆に舌が割り込んできてそれを絡めとられる。



肩を叩いて離れてくれと合図を出したが、離れてくれない。


「り…だぁ…ふぁ…ぅん…」
と声を漏らすと唇を舐めてやっと離れ
「湯たんぽみたいで温かいな♪」
と満足気に笑い、俺を胸に収める。


恨みを込めて見上げたが寝てしまったらしく、規則的な寝息をたてていて
「俺より先に寝るなや…」
と悪態をつき、リダの匂いを感じながら眠りについた。


片腕をリダの背中に回したのは内緒にして。



朝目覚めると、リダにまだ抱きしめられていて腕を引き
「いい加減起きんかい!」
とリダの頭を殴るとまぬけな声を出して飛び起きた。


無視して体温を計ると昨日の熱が嘘のようにひいていて隣で
「俺のおかげやろ?」
とにやついている。



ムカついて軽く流し仕事へ向かう準備をした。


本当は感謝してるけど敢えて口には出さない。


それが俺らしさだから。




でも心の中でほんまにありがとうと呟いた。








*********あとがき*****************
甘いですね、はい。
バレンタイン用に書いたんですが、いかがでしょうかね?
てか、風邪引きなんてありふれてる上に添い寝て…。
ごめんなさい…ショボいですが読んで頂きありがとうございました(礼)




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